数字では、初期投資・利益・販売数・黒字化期間を計算し、事業として成立するかを判断します。
需要確認・設計・伝え方を経て商品の形が見えてきたら、最後に確かめるのが「事業として成り立つか」です。
「売れるは設計できる」の第4ステップ「数字」は、感覚ではなく計算で、その商品を世に出してよいかを判断する工程です。
ここを飛ばしてしまうと、売れているのに利益が残らない、あるいは初期投資を回収できないまま終わるという事態が起こります。
数字で答えるべき問いはシンプルです。
- 初期投資はいくらか
- 毎月いくら利益が出るか
- 黒字化まで何か月かかるか
この3つです。
初期投資・利益・黒字化期間を整理する
まず確認するのが初期投資です。
地域産品の商品化では、
- パッケージ製作
- 箱の製造
- デザイン費
- 撮影費
- EC制作費
などが代表的な初期投資になります。
最初にどれだけ資金が必要なのかを把握します。
次に確認するのが利益です。
利益は、
売価 − 変動費
で計算します。
変動費には、
- 原材料費
- 箱代
- ラベル代
- 配送費
- 決済手数料
などが含まれます。
まずは1個売れたときにいくら利益が残るのかを計算します。
販売数は願望ではなく販路から考える
利益計算でよくある失敗は、販売数を願望で置いてしまうことです。
数字は希望ではなく現実から積み上げます。
販売数は販路によって大きく変わります。
たとえば、
- 直売所中心
- 自社EC中心
- モールEC中心
- 卸販売中心
- 法人販売中心
では、到達できる販売数が異なります。
そのため、
「どこで売るのか」
を先に決め、その販路で現実的に販売できる数量から逆算します。
販路が見えていない状態で販売計画を立てると、数字は簡単に崩れてしまいます。
黒字化まで何か月かかるか
初期投資と月間利益が分かれば、黒字化までの期間を計算できます。
計算式はシンプルです。
黒字化期間
= 初期投資 ÷ 月間利益
例えば、
- 初期投資 30万円
- 月間利益 5万円
なら、
約6か月で回収できます。
この期間が現実的かどうかを確認することが重要です。
ギフト化する場合の適用(ギフト翻訳メソッド)
ギフトの場合は、通常の商品よりも単価を上げやすい傾向があります。
一方で、
- ギフト箱
- ラッピング
- のし
- メッセージカード
などの追加コストも発生します。
そのため、
単純な原価率だけではなく、
「ギフトとして選ばれることで増える利益」
と
「ギフト対応で増えるコスト」
の両方を見る必要があります。
重要なのは、
高く売ることではなく、
適正な利益が残る状態をつくることです。
実務で見るポイント
このステップのゴールは、
「この商品は事業として成立する」
と数字で説明できる状態をつくることです。
売価から変動費を引き、
現実的な販売数を掛け、
初期投資を何か月で回収できるかを確認する。
ここまでできれば、
感覚ではなく根拠を持って商品開発を進められます。
数字は挑戦を止めるためのものではありません。
無理のない計画を立て、長く続く事業をつくるための土台です。
良い商品を、続く事業にする。
そのために最後は必ず数字で確かめます。
次のステップ
4つのステップを通じて、商品を「売れる形」に設計する方法を解説してきました。
もう一度全体像を確認したい方は、こちらをご覧ください。
