設計では、ターゲット・ニーズ・価格を具体化し、商品の選ばれる理由を根拠ある形で組み立てます。
需要確認でどの市場で戦うかが決まったら、次はその市場で「誰に・何を・いくらで」売るのかを具体的に決めます。
「売れるは設計できる」の第2ステップ「設計」は、商品の中身そのものを変える前に、商品の輪郭を言葉で確定させる工程です。
ここが曖昧なまま進むと、後の伝え方も数字もすべてぶれてしまいます。
設計で決めることは、大きく三つです。
- 誰に売るのか
- どのニーズに応えるのか
- いくらで売るのか
この三つに根拠を持って答えられるようになることが、このステップのゴールです。
誰に・どのニーズに・いくらで
まず「誰に」。
年代・性別・生活スタイル・購買動機まで踏み込んで、一人の人物像が浮かぶくらい具体的にします。
「男女問わず全年代」では、伝え方がぼやけて誰の心にも届きません。
たとえば、
「共働きで時間がなく、週末に家飲みを楽しむ30代」
のように絞ると、そこから先の判断がすべて速くなります。
次に「どのニーズに」。
手軽さなのか。
ご褒美感なのか。
健康志向なのか。
ここで欲張って全部に応えようとすると、優先順位が不明確になり、結局何も伝わりません。
応えるニーズは2〜3個に絞ります。
最後に「いくらで」。
価格は「原価の何倍」で決めるものではありません。
競合の相場。
自社のコスト。
そしてターゲットの購買力。
この三つを踏まえて、なぜその価格なのかを説明できる状態にします。
価格に根拠がないことは、地域産品でとても多い落とし穴です。
差別化は「掛け算」でつくる
このステップの核心が、差別化の考え方です。
「美味しい」
「品質が良い」
という一つの強みだけでは、数ある商品の中に埋もれ、価格競争に巻き込まれます。
そこで使うのが掛け算です。
差別化は、
アイテム × 製法・背景・技術 × シーン
の三つを掛け合わせてつくります。
たとえば、
- コーヒー豆 × 特殊焙煎 × 朝の時間
- ケーキ × 職人監修 × お祝いの席
一つひとつは平凡でも、組み合わせ次第で「自社だけの並び」が生まれます。
大切なのは、
最初から尖った強みを持っている必要はない、
ということです。
他社と同じ素材や技法でも、組み合わせ方で独自性は作れます。
まずは自社の掛け算の材料を洗い出してみる。
そこから、自社だけの組み合わせを探すのが、現実的で再現性のある差別化の進め方です。
ギフト化する場合の適用(ギフト翻訳メソッド)
ギフトとして設計する場合、掛け算の三つ目を「ギフトシーン」に置き換えます。
アイテム × 製法・背景 × ギフトシーン
です。
たとえば、
- コーヒー豆 × 特殊焙煎 × 誕生日
- 焼き菓子 × 職人監修 × 結婚祝い
といった形です。
同じ商品でも、贈るシーンを掛け合わせることで、贈り物としての選ばれる理由が生まれます。
誰に。
いつ。
なぜ贈るのか。
これが設計段階で言葉になっている状態を目指します。
実務で見るポイント
設計の背後には、
- STP
- 4P
というマーケティングの基本があります。
ただし、理論を埋めることが目的ではありません。
ターゲット設計と差別化を支えるための道具として活用します。
設計でやりがちな失敗は三つあります。
- ターゲットを広げすぎる
- ニーズを盛り込みすぎる
- 価格に根拠がない
この三つを避け、
「誰に・何を・いくらで・なぜその価格なのか」
を説明できる状態になれば、
次のステップ「伝え方」に進む準備が整います。
次のステップ
商品の価値を決めたら、次はその価値を正しく届ける方法を考えます。
→ 伝え方
